に来週の土曜日はどうするかと聞かれた。
「もしかして、何か予定がおありですか?」
 が少し首を傾げて聞いてくる。
 そんなが可愛いと思いながらもが何故、予定を聞いてくるのか気になった。
「来週の土曜って何かあったっけ?」
 聞いた瞬間、が驚いた顔で固まった。思わず、の顔の近くで手を振ってみる。
「・・・?どーしたぁ〜?」
 はっ、と気づいたに言った。
さん、自分の誕生日・・・忘れてたんですか・・・?」
「は?」
 今度はがマヌケな声を出した。は自分の誕生日を忘れていたのだ。
(管理人も自分の誕生日を言われるまで忘れてたことがあります / ぁ)
「・・・覚えてなかったんですね・・・。」
「すっかり忘れてた。俺もついに15歳になるってことだよなぁ・・・。」
 ついこの間、氷帝学園に入学した気がするとは笑いながら言った。
「それで、その日は休日で授業も部活もありませんから、どこかに遊びに行きませんか?」
「そうだな。最近、あんま出かけてないし。いいよ。プランはに任せるから。」
「はい。来週の土曜日、楽しみにしていてくださいね。」
「うん。待ってる。」
 最近、の笑顔がやけに多いのはやっぱり跡部のおかげなんだなぁとは思っていた。
 が楽しそうなのが、は何より嬉しかった。
 大事な親友の笑顔が大好きな。だからこそ他の事に目を向けていなかった。
 跡部のことが分かったのも偶然だし、が関わっていたからで・・・他の事には無頓着すぎただから気づかなかった。
 他の誰かがに視線を向けていたことに。