さすがに3人もコーチがいるとやることがいろいろあるな・・・。
竜崎班は自主トレ、華村班はミーティング、榊班は試合。
しかし、竜崎先生は相変わらずだな・・・。


 は竜崎班の方につくことになった。
 個人のデータを見ながら、その様子を観察する。
 桃城、越前、菊丸はサボリだな、どう見ても。大石達は各自でちゃんとしているが・・・。
 見渡していて、は溜息をついた。
 それは、切原と神尾のコトだった。
 切原が神尾を挑発しているように見え、神尾は切原を睨んでいるように見える。
「おい、切原。他人を挑発している暇があったら自主トレにさっさと取り掛かれ。」
 のキツイ一言が入る。
 キツイと言っても当たり前のことなんだが、が言うと迫力がある。
「すみませんでした。先輩。」
 言葉はちゃんとしてはいるが、軽く流した感じに赤也はいった
 それでも、神尾への挑発を止めて、赤也は自主トレを始めた。
 赤也の試合でのことは聞いていたが、は、過去の事だと言って選抜とその事を繋げて考えはしなかった。
 その日は自主トレということで、各自好きなようにして終わった。

 夕食の時間になると、赤也と神尾が言い合いを始めた。
 十分に予想できる事態ではあったが・・・。
 十字架は溜息をつくと、手元にあった水の入ったコップを持って立ち上がった。
「切原。神尾。」
 低い声で2人の名前を呼ぶと、2人が睨むようにを見た。
 パシャッとコップに入っていた水が、2人を濡らした。
「何すんですか、先輩っ」「てめぇ、何すんだっ」
 赤也と神尾が同時にに言った。
 は睨むように2人に向かって声を発した。
「お前達の個人的なことを集団に持ち込むな。集団を乱すつもりで来たならさっさと帰れ。」
 の容赦ない一言で、2人は頭が冷えたのか、神尾はその場からいなくなった。
 赤也はその場に立ったままだ。
 赤也の髪から水滴がポタポタと落ちる。
「赤也、お前、部屋に戻って着替えて来い。」
「・・・はい・・・。」
 の言うことを赤也はすんなりと聞いて、俯いたまま部屋に向かった。
 その場にいたほかのメンバーはただを見ていた


 まったく、えらく個性的な奴ばっかり揃えてるな・・・
 ・・・来るべきじゃなかったかもしれないな・・・
 まぁ、こっちも好きなようにさせてもらうさ。