チャイムが鳴るギリギリにが音楽室に入ってきた。
 「誰に場所聞いたの?」って聞いたら「国光ー。」ってのん気に言ってた。
 のマイペースさは今も昔も変わらないね。僕はこんなにも変わってしまったというのに…。


「こんのッバカァー!!!!!」
 授業が終わると、早速のお説教を受けてたよ。僕はリョーマと見てるだけ。
「いいじゃんかー。遅刻しなかったんだしさー。」
「良くないわよ!だって心配してたんだからねー!!!」
 僕は普通に間に合ったんだから良いと思うんだけどね。
 それをリョーマに言ったら、「は人が良過ぎ。」って言われちゃった。…そうでもないと思うんだけど?
「そういえば、今回リョーマは校内ランキング戦に出るらしいね。今日なんだろう?」
「らしいね。」
 …まったく、自分の事なのに他人の事のように言うんだから…
「…応援に行ってもいいかな?」
「え…」
 …リョーマ、何でそこで驚くのかな?でも、ダメって言われても見には行くつもりなんだけどね。
「…いいよ。」
「そう。…頑張ってね。」
 リョーマは少し顔をそらして返事を返してくれた。何だかんだで優しいんだ、リョーマは。
 見てみたいんだよ。ちゃんとしたリョーマのプレイ。
 あの頃よりどれだけ腕を上げたのか、それが知りたくて…。僕と対等で戦える日を待っているよ、リョーマ。
 でもその前に、前の2人を止めないとね。
、そろそろ許してあげよう?」
「…がそう言うなら許してあげるわ。に感謝しなさい。」
アリガトー。これ以上怒られるのは嫌ー。」
「だったら迷わなきゃいいじゃん。」
「越前君は俺の金メダル級の方向音痴を知らないだろッ!!!」
 …、自慢するようなことではないよ…手塚先輩もさぞかし呆れただろうね…リョーマも呆れて溜息ついているしね。
「そろそろ、チャイムが鳴るよ。」
「そうね。」
 席に着いた瞬間チャイムが鳴って授業が始まった。
 …楽しみだね、今日の放課後…僕もいつかは、再び公式でテニスが出来る日が…来るかもしれない…僕が…僕自身を超えるまでは…無理だろうけれど…
 …だからリョーマ…君は好きなようにすれば良いんだよ…僕の二の舞にはならないように…
 …僕が見守っていてあげるから…勝利の女神は君のすぐそばにいるよ、リョーマ…