氷帝学園では、考査結果が掲示される。必ず、上位5位以内に名が載る4人。
 跡部 景吾 ・ 忍足 侑士 ・   ・  
 彼らはこの氷帝学園の秀才達である。

 1週間前に行われた実力テストの結果がいつものように掲示される。
 いつもとなんら変わりなく4人の名前が載っていた。いつも跡部は1番だった。しかし、今回の順位は・・・
「なんや、跡部。ついに順位落としたんかいな。」
「うるせぇ」
< 今回の考査結果 >
1位 500点   
1位 500点   
3位 497点  跡部 景吾
4位 493点  忍足 侑士
 いつもほぼ同得点であるから仕方がないと言えば仕方がない。それでもプライド高い跡部は、やはり悔しかった。
 1人は跡部と同じクラスの 。もう1人は忍足と同じクラスの 
 忍足と同じクラスの は、密かに跡部が思いを寄せている人だった。
 いつかは伝えたいと思うこの声を跡部は伝えられずにいた。
 跡部はをずっと想ってきた。他の女と違う。大人しくて、どこか大人っぽい。でも、顔つきは少女っぽい。そんなに跡部は惚れていた・・・。
 しかし、跡部とは話をしたこともない。3年になって同じ図書委員になって初めて会話を交わした。
 それは、あまりいいものとは言えなかった。


 あのとき、跡部とは本の整理をしなければならなかった。
 その時、跡部もも、無言で作業をしていた。雑談は一切しなかった。
 唯一の会話は、俺がどの棚か尋ねたときだけ。
、これはどこにしまえばいいんだ?」
「ぇ、ぁ、はい。それはC−11の棚にお願いします。」
 何故か、は跡部を警戒しているようだった。それが跡部は少しショックだった。
 それ以来、跡部はと話をしたことはない。
 忍足に聞けば、クラスでも大人しくて授業との間の休みでは予習をしているらしい。話をする機会もない。