・・・なーんかバスの中で寝過ごしちゃったら知らないトコに来たんだよね。
って思ったらすぐそこにちゃんと書いてあるし。・・・青学・・・・・・か・・・。
「青学―ファイ――」
・・・へぇ、青学の奴等面白いことしてんじゃん。ま、そんなことどうでもいいや。手塚さんはーっと・・・。
「――君は?うちの生徒じゃないようだけど・・・」
「うおっ もう見つかった!」
やっぱすぐに分かっちまったかー、いいけどね。
「バレちゃしょうがねぇ 立海大附属中2年エースうわさの切原赤也って俺の事っス」
「ってことはセイちゃんの学校の人なんだねー。」
・・・いきなり後ろから声がして驚いた。見たら俺と同じ真っ黒髪のヤツが立っててその少し後ろに美人が立ってた。
ソイツはなんか幸村ブチョーに似たヤツ・・・女っぽいけど学ラン。
「・・・、彼と知り合いなの?」
「違うよー。切原さんの学校の部長さんと知り合いなのー。」
・・・幸村部長の知り合いなのか?こんなヤツが?(失礼)
「・・・で、神奈川代表が何の用かな?」
「ウイッス!ちょっとばかしスパイに・・・」
せっかく来たんだから何かしてかえらねぇとなぁ。お、手塚さん発見★
「昨年の関東大会の団体戦でうちの先輩破ったのあんただけだし いやーちょっと手合わせしたいなあ!!」
まわりのヤツが何か言ってるけど関係ねぇよ。雑魚には興味ねぇんだから。
「部外者は出ていけ」
・・・何この人。あからさまに拒否しなくてもいいじゃねぇか。
「そんなー手塚さん1セットでいいっスよ?堅い人だなぁ こーんな顔ばっかしてると疲れちゃいますよ?」
「そーだそーだ!切原さん、もっと言ってやれー!」
「・・・・・・」
お、そこの黒髪は俺に賛成だな!分かってんじゃねぇか(何が?)
隣の美人は呆れてるみてぇだけど。
「おいコラくせっ毛!!うちの部長に失礼なことしてんじゃねぇよ!!」
「国光にはアレくらいの方がいいと思うのになー。」
・・・俺が言うのもなんだが、自分の学校のヤツにそこまで言っていいのか?
「とっとと出て行けよ!!」
その程度のスピードじゃ俺には通用しねぇよ!
「俺のショットをイナした!?」
別に驚くことじゃねぇと思うけど?
「・・・荒井先輩のなら俺等でもイナせるよねー・・・。」
「そうだね。」
へぇ、この2人、結構な実力者だったりすんの?ってか誰か知らねぇけど横から口はさむなよな。
「手塚さんさぁ別に深い意味じゃなくて1球2球交えようって言ってるだけじゃん そんなシカト気分悪いなあ アンタ潰すよ」
ちょっと脅しめいて言ってみるけど、効果なし、ね。
「なーんて おーい荒井くん ボール返すぜ!」
良し!これは決まった!!・・・と思ったんだけど、外しちまった・・・。ここはずらかるにかぎる!
「全員グラウンド30周してこい!!、お前もだ!!!」
「えー、俺何もしてないのにー。ー。」
「今回はフォローできないよ。、頑張っておいでね。」
そんな会話が聞こえてきて、ちょっと気になったけど、とりあえずずらからねぇと!
「ふー危ねぇ危ねぇ 俺のせいにされるとこだったぜ」
「アレは貴方のせいではないんですか?」
思いもしない声に振り返ったらさっきの美人。学ラン着てるから男なんだろうけど女顔、けど美人。
「俺に何か言いたいことでもあんの?」
「いえ、そういうわけではないんです。がとても貴方のことが気に入ったようなので。」
確かに俺、あの黒髪と気が合いそうな気がする・・・。ってかこうして話してたらやっぱ女にしか見えねぇ・・・。
「・・・アンタ、女?」
「学ランを着ていますけど、僕は女ですよ?」
・・・やっぱり・・・間近で見るとやっぱ美人。
「それより、時間は大丈夫ですか?バスに乗るんでしょう?」
「マジ?もう時間なの?・・・ま、いっか。そういやアンタ、名前は?」
何かよくわかんねぇけどすっげぇコイツに興味を持った。
「です。また、いつかお会いできると思いますよ。」
「そっか!じゃぁな!!」
急ごうとしたら今度は校門のトコで1年生くんにぶつかった。
ソイツも俺みたいに簡単にボールイナしてたから、かなりのヤツ。面白いのがいるじゃねぇか、青学。
関東大会で試合するときと楽しみにしてるぜ?


