…海堂先輩…だったかな?…あれって…どう見ても…バギーホイップ・ショットだよね…?
 日本人選手であれを使ってる人って少ないけど、やっぱりいるにはいるんだね。ちょっと意外だったな。


「越前君、流石に今日は真面目にやってるねー。」
 …リョーマはいつも真面目だと思うんだけど…相手が弱いからそれが表に出てないだけだと…思うんだけど…。
「すげぇえ!!ハイレベルな試合だぜ!!」
「まばたきしてたら見逃しちまいそうだよ!!」
 …相手が相手だからかな?確かに午前中よりは球が速いけど…それでもまだ…遅いよ…。
「そんなに速い球とは思えないけどなー。はどー思う?」
「んー…と同じ意見かな?午前中よりは速いけど…それでもまだ遅いかな?」
「目で追えるうちは速いとは言えないもんねー。」
 …でもはとても動体視力がいいから…が見えない球ってそうあるものではないと思うんだけど…。
「あ、越前君が逆をついたー。決まったかな?」
「……いや…」
 たぶん、あれは返されると思う。…僕の第六感でしかないけれど…ほら、海堂先輩、ちゃんと打ち返したよ。
「あれが海堂のスネイク!」
 あれは確か…桃城先輩…でしたっけ?足の捻挫、完全に完治したみたい。
「ねーー。あれってさー、バギーホイップ・ショットだよねー?」
 も気づいたんだね。
「うん。あれは間違いなくバギーホイップ・ショットだよ。日本にもいたんだね、アレを使う選手。」
 日本人選手でアレを使ってる選手って少ないからね。
「でもアレってどっちかって言うと相手を走らせてるだけジャン。越前君汗まみれー。」
「…本当にそうかな?」
 …だってリョーマだもの、タダで終わるようなことはしないよ。
 そして気づいたら、取り返しが付かなくなってるだろうね。…ほら、海堂先輩、凄い汗かいてる…。
「……「スネイク」って”バギーホイップ・ショット”の事だよね?」
「何!?」
 …やっぱりリョーマも気づいてたんだ。アメリカにいたんだから、見たことくらいはあるかな?
「偶然さっき読んでた雑誌に打ち方が載ってたし」
 …なんだ、さっき知ったばかりだったんだ…もしかしてリョーマ、南次郎さんとしかテニスしないの?
「実物見たからやってみたけどやっぱリーチないと キツイや」
 それは…いくらなんでも当たり前だと思うけど…だってさっきリョーマが打ったバギーホイップ・ショット…穴だらけだったじゃないか…。

「ゲームウォンバイ越前リョーマ6−4!!」
 ガコッ バキ バキ バキ
 …自分の膝を傷つけてる…もう少し大事にしたほうが良いのに…自分の体を自分で労わらないでどうするんだろ…。
「うわー、痛そー…。俺、ああいうの苦手。」
「得意でも困るけどね。」
 …好きじゃないな、あんなことする人…勝ちにこだわるのは当たり前だけど、もう少し考えた方がいいと思う。
 …周りも何だか騒がしくなってきたね。
「こりゃおもしれーぞ あの1年!!」
 …リョーマだからね…彼はここでもっともっと強くなると思う…僕は、それが楽しみで仕方がないんだ。
「リョーマ」
 コートから出てくる、戦いを終えた彼に言うことがある。
「お疲れ様。」
 この一言を…
「サンキュ。」
 僕は彼を見ていたいと思う。彼の成長がとても楽しみだよ。…リョーマ…。

 …僕のところまで…駆け上がっておいで?














…不二子…?何だかヒロイン、不二子っぽいです!そ、そんなッそんなつもりじゃなかったのにッ!!!
あぁッ!もう知らない!どうなっても良いもんッ!!!!!