目が覚めると、そこは、狭い空間だった。

 これは・・・救命ポットの中か・・・

おそらく、フレイが私を救命ポットに入れて宇宙に放り出したのだろう。

 額からは、血が出たままだ。

は、片手で傷口を押さえ、どうしようか考えていた。






























ラクスは、イージスでアスランとともにザフトに戻った。

「大丈夫でしたか?ラクス。」

「はい。貴方のお友達がよくしてくださいましたし、

 あの艦にとても親切な方がいて・・・一緒にお話したりしていました。

 様といって、とても素敵な方でしたわ。」

「そうですか・・・。

 では、私は任務に戻ります。あまり、ウロウロなさらないように。」

「はいっ。」

 アスランは、部屋を出ると、自分の機体を調整するべく、そちらに向きを変え、進んだ。




















「アスラーン!」

「あぁ、ニコル。」

 アスランは、後ろから声をかけられ、一旦停止した。

「聞きましたか? クルーゼ隊長が、救命ポットを拾ってきたそうですよ。」

「えっ、それ本当なのか、ニコル。」

「はい。それで今行くところだったんですが・・・アスランも行きませんか?」

「あぁ。」

 二人は、再び進みだした。




















「構えろ。」

 クルーゼの声を合図に、数名の兵士が救命ポットの扉に銃を向けた。

アスランたちは、後ろの方で、ただ見ていた。

 軍人ならば捕虜。 民間人なら保護。

そこら一帯に緊張した空気が流れた。

「開けろ。」

クルーゼの声を聞くと、一人の兵士が、扉を開けた。

「何が始まりますの?」

救命ポットとは、正反対の方から聞き覚えのある歌姫の声が聞こえた。

「ラクス、いけません!! このようなところに来ては!!!!!」

アスランは、ラクスに近づいた。

 それと同時に救命ポットから、一人の少女が出てきた。

兵士は一斉に銃を強く構えた。

 少女は、血が流れている額を押さえたまま、顔を上げた。

「まぁ、様。」

「「「「えっ?」」」」

 そこにいた全員がラクスの方を見た。





  ・・・ラクス・クライン・・・





「ってことは、ここ・・・ザフト?」

 は、小さくため息をつき、両手を挙げた。




















「ラクス、彼女は・・・」

「さっきお話ししましたでしょう? あの方が様ですわ。

 でも、怪我をされていましたわ。様、大丈夫でしょうか・・・」

ラクスは、心配そうに言った。

 つまり、彼女は民間人。なら、軍も酷いことはしないだろう とアスランは思っていた。

「ラクス、先ほども言いましたが、あまりウロウロなさらないでください。」

「・・・つまりませんわね・・・。」

 仕方がないと思いつつ、アスランは部屋を出た。




















 は簡単な治療を受け、クルーゼから幾つか質問を受けた。

「君の名は?」

「・・・・・・。」

 質問をしてもは答えなかった。ただ相手を睨み、黙っているだけだった。

「答えたくない・・・か。」

「別にそういうわけではない。答える必要性を感じないだけだ。」

「ほぅ。」

「ついでに言っておくが、私は中立国の民間人だ。

 貴様たちのためになる情報なども持っていない。 ただのナチュラルだ。

 分かったら、さっさと殺せ。こんなことに付き合う時間こそが無駄だ。」

「貴様ぁ!!!自分の立場を分かっているのか!!!!!」

「ただの民間人だ。軍人ではない為、貴様たちに従うつもりはない。」

 感情的になっているのは、銀髪の少年だけ。 は、ただ淡々と答えるだけで抵抗も何も示さなかった。

そんなを見て、銀髪の少年はさらに腹を立てた。

「貴様ァ!!死にたいのか!!!!!」

「だから、さっさと殺せと言っているだろう?」

 の言葉は、相手の神経を逆撫でするばかりだった。

言い返すことのできない銀髪の少年を見て、色黒の金髪の少年が笑みを漏らした。

 銀髪の少年は、殺気の対象を変えた。

「埒が明かんな・・・。 とりあえず、彼女には、部屋で大人しくしていていただこう。

 そうだな・・・アスラン、彼女を部屋まで。」

「はっ!!」

 アスランは、を部屋へと連れて行った。