ねぇ、なんで貴方は綺麗なの?
 なんでそんなに心が綺麗なの?
 ねぇ、教えて・・・

 彼、二コル・アマルフィは、心の綺麗な子でした。
 そして、私の同僚で・・・私の婚約者・・・
 目の前で、機体が爆発。
 アスランの叫び声が聞こえて・・・私は自分の目の前に広がる光景を疑った。
 ロッカールームでニコルの軍服をアスランが掴むと、何枚もの楽譜がばらばらと落ちた。
 先ほどの事が信じられず、その楽譜をただ見ていた。

「なんで、ニコルの音はこんなに綺麗なの?」
 プラントへ戻ったあの日、私は彼のもとへ行った。
 彼はピアノを弾いていた。それはとても優しい音色。それを弾き終わった彼に私はそう言った。
「そんな事ありませんよ。の音だって、とても綺麗じゃないですか。」
「ニコル、音楽はその者の心を表すのよ。たとえ音が綺麗でも、その者の心が綺麗でなければ何の意味も持たない。」
 私は、ピアノの傍へ行き、ピアノを弾いてみせた。
「これが本当に綺麗?少なくとも私にはただの醜い音にしか聞こえないけど。ニコルはどう思う?」
「でも、の音である事に変わりはありません。」
 このときに思ったんだ。・・・この子は、とても心が綺麗で優しい子・・・
「ニコル・・・。」
「はい?」
「お前、私より小さいくせに生意気だっ!」
「わぁッ!なんでですかぁ!」
 そのときは、彼がいなくなるなんて考えたこともなかった。

 一時の平和な時間。
 一時の安らかな時間。
 一時の暖かな心。

 そう、私は・・・大切な時を・・・大切な居場所を・・・大切な者を・・・
 ・・・・・失ってしまった。

 私は絶対に許さない。あのMS・・・ストライクを・・・
 ニコル・・・せめて・・・安らかに永眠って・・・・・