鍼灸師の指は変幻自在に

(社)京都府鍼灸師会主催 東洋鍼灸医学大講演会
鍼灸体験コーナーきっかけに通院も

日本鍼灸マッサージ新聞 0112.10.

 (社)京都府鍼灸師会(井口達也会長)の第34回東洋鍼灸医学大講演会が11月24、25日、キャンパスプラザ京都(京郡市下京区)で開催された。テーマは『こころとからだの癒しに、はり・きゆう』。鍼灸師と学生を対象にした「鍼灸医学講座」だけでなく、一般向けの「鍼灸健康講座」も行われた。
 森ノ宮医療学園専門学校の長野仁講師による『散鍼法の理論と実際』では、「指を自在に動かすことが不可欠である」として手首や指をやわらげるための練習運動が実演された。肩背部における散鍼の基本法実技も行われ、長野講師の鮮やかな指さばきを身に付けようと熱心に見つめる参加者たちの姿が印象的だった。
 『変形性膝関節症の治療のこつ』を講演した明治鍼灸大学の越智秀樹助手は、変形性膝関節症には鍼灸治療と運動療法の併用が最も有効であると、JOAスコア(膝関節機能評価表)に基づいたデータを示した。鍼で痛みを抑制することで運動が行いやすくなり、その結果、運動療法の効果が上がって膝関節の支持力が高まるというメカニズムについて解説。さらに、大腿骨内顆に骨壊死が、認められる特発性膝壊死症にも触れ、変形性膝関節症との鑑別に注意を要する「脛骨粗面部の叩打で左右差が存在する」「関節内水腫の存在が軽度である」といった骨壞死の臨床症状を挙げた。
 2日間の「健康講座」では、現在74歳の元仏教大学教授の小倉美津子氏が『こころとからだの健康を保つために』という演題に応え、年齢を感じさせないパワーの秘訣を披露。「旦那の〔おいおい〕という呼び掛けは無視して、何でも自分でさせると、男性も女性並みに長生きできます」といったユーモアを交えながら、知的・運動・性的という3大刺激をバランスよく得る心構えについて語り、会場は終始笑いの渦に包まれた。
 引き続き行われた「鍼灸健康相談・体験コーナ」にも多数の人が駆けつけた。「去年鍼をしていただいて楽になったので、今年もずっと楽しみにしていました」という梅田富美子さん(81)は、背中と腰の鍼治療と筋力をつける運動法の指導を受けた。この体験コーナーをきっかけに治療院に通うという人も多く、鍼灸をアピールする絶好の機会になっているようだ。
 2日間にわたる今回の開演会では、鍼灸師たちの手技技術の研鑚のみならず、健康維持に有効な鍼灸の役割を一般の人に伝えることができた。

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