百聞不如一見

日本刺絡学会第十一回学術大会
大会テーマ:『百聞不如一見』
現代各家の刺絡実技を一挙公開

日本鍼灸マッサージ新聞 02.07.10..        

 日本刺絡学会(森秀太郎会長)が6月30日、第11回を学術大会を国立身体障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)で開催した。『百聞不如一見』がテーマの今回、現代各家の刺絡鍼法が実技公開された。
 開会式で森会長は「モンゴルのチンギス・ハンの時代には、馬に刺絡をし連日の長距離移動を可能にしていました。インディアンにも血を出す治療法があります。世界のさまざまな民族の間で瀉血は行われており、人類の原点といえる治療法です」とあいさつ。また、即効性のある刺絡を研究、活用し、患者を少しでも早く治せるようにしていこうと呼び掛けた。
 実技公開は、『島田隆司先生の刺絡』日本内経医学会・宮川浩也、『視力障害にも可能な刺絡鍼法の工夫』国立身体障害者リハビリテーションセンター診療教育部・芦野純夫、『三通法形式の刺絡鍼法』日本鍼灸三通法研究会代表岩原克己、『工藤流太極療法的刺絡鍼法』日本刺絡学会理事・勅使河原悦司、『外傷と刺絡』積聚会会長・小林詔司、『硬結刺絡』大師はり灸療院・谷岡賢徳、『下腿または前腕部での刺絡と火罐法の運用』漢法苞徳塾塾長・八木素萌、『肩背部の刺絡』日本刺絡学会会長・森秀太郎の8題。(敬称略)三稜鍼や毫鍼、特製の鍼を使い井穴刺絡、細絡、皮膚刺絡、顔面刺絡、火鍼刺絡などの実技が披露され、それぞれの流派による刺絡の位置づけ、特徴が解説された。
 学校法人後藤学園理事長・後藤修司氏の会頭講演『伝統的手技の世界貢献』では、インフォームドコンセント、免許更新制度、教育など、世界水準との整合性をどう考えるかについて問題提起がされた。さらに、鍼灸が日本国内でもっと受け入れられるための要件として、▽有効・安全な医療手段である、▽安心できる人が提供している、▽身近でかかりやすい、▽経費が安い、という国民的合意ができあがることを挙げた。
 特に、身近でかかりやすいという点に関しては、「病院や診療所で鍼灸が行われるのをもっと認めていってほしい。現在、国民にとって最も身近な医療機関は病院や診療所です。そこで鍼灸が行われていれば、鍼灸が国民の身近なものになっていきます」と大胆な意見を述べた。
 今回の学術集会は、伝統ある鍼灸の重要な一部分を占める刺絡鍼法の即効性や広範な有効性を確認するものとなった。また、実技を中心に行われたが、視覚障害者にも分かりやすいように随時ナレーションを加える配慮もなされた。
HOME ページ案内 目次