頸肩腕症候群の労災認定基準

 日本鍼灸マッサージ新聞 01.9.10.  

こんなときどうなるの?

 この春、独立をし念願の治療院を開業しました。いまのところまだ患者さんは少ないので、その分いろいろ患者さんの相談に乗っています。肩こりがひどく腕がしびれると治療に訪れたTさんは、近くの工場で自動車部品を組み立てる仕事をしています。頸肩腕症候群で継続的な治療が必要と判断したのですが、Tさんに「労災に認定してもらえるのか、どうでしょう」と聞かれました。患者さんの信頼を損なわないためにも適切な返事をしたいと思います。認定の基準などはどうなっているのか教えてください。

こうなる!

 鍼灸師にはお馴染みの頸肩腕症候群に関することなので、ある程度のことは知っておいても損はしないでしょう。
 労働災害については労働基準法や労働者災害補償保険法などに定められています。労働者が業務上負傷したり、病気になったりすることを労災といいます。しかし、病気や過労死の場合は業務に起因するのかどうかの判別が難しく、審査請求の段階での争いは絶えません。頸肩腕症候群では平成9年2月3日基発第65号で規定基準が通達されています。それによると、要件は3つ。
 @上肢などに負担がかかる業務に相当期間従事した後に発症したものであること。
 A発症前に過重な業務に就労したこと。
 B過重な業務の就労と発症するまでの経過が、医学的に妥当であること。
これらすべてを満たしていると労災の適用を受けられます。
 相当期間とは、原則として約6カ月以上のものをいいます。例示作業としては、OA機器等の操作、製造業での組み立て作業、運搬、積み込み・積みおろし作業、看護・介護作業などが挙げられているので、ご相談のケースでは、労災に認定される可能性は高いと考えられます。会社の人事課に申請書続きをしてもらうよう薦めてあげればいいでしょう。会社側が非協力的な時には労災認定支援組織などでも相談を受け付けています。
 上肢障害は、ほかにも上腕骨外(内)上顆炎、手関節炎、腱鞘炎、手根管症候群、回外(内)筋症候群などが労災の対象疾病とされています。


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