直線偏光近赤外線照射療法で緩解した不眠の一症例
日本鍼灸マッサージ新聞 01.7.10.
【はじめに】
不眠は仮眠症や睡眠中の異常行動などを含めた睡眠覚醒障害の一部で、一般に入眠障害・熟眠障害(中途覚醒)・早期覚醒などに分けられる。不眠の主な原因は、痛みや不快を伴う身体的疾患によるもの、時差ぼけ・騒音などの環境の変化によるもの、精神的ストレスなどによるもの、非器質的精神疾患(うつ病など)や脳器質疾患などの精神疾患に伴うもの、アルコールや睡眠薬の依存などの薬理学的なものが挙げられる。
今回われわれは、星状神経節近傍への直線偏光近赤外線照射(以下、SGL)を行い不眠が緩解した症例を観察したので報告する。
【症 例】
男性、65歳、無職。
主義:不眠
現病歴、:寝付きが悪くハルシオン服用するも眠れず飲酒している。
10年前よらベーチェット病・慢性関節リウマチにて加療していたが、全身倦怠感・陰萎・関節痛の若干の憎悪があり。
現症:身長152cm、体重56kg。ノルバスク・ハルシオン・ラシックス服用中。
【治療及び臨床経過】
直線偏光型近赤外線治療器Super Lizer(発振波長:0.6μm〜1.6μm)の今回はBタイプユニットを使用して、星状神経節近傍に出力70%で7秒間照射3秒間休止のサイクル照射を20分間行った。
臨床効果の判定基準は数値スケール法を用いて検討した。治療前の不眠を10点満点とし、治療後を0〜1点「著効」、2〜5点「有効」、6〜8点「やや有効」、9−10点「無効」の4段階に分け、数値が減少するほど治療効果が良いとした。
治療数1〜4回:特に変化なし、5回:数値スケール10→4.5点、8回:数値スケール10→3.4点 飲酒量を減らしても眠れるようになってきた。13回:日中の眠気はなくなる。50回:寝付き良くぐっすり眠れる。56回:治療を受け始めてから体調が良い。70回:数値スケール10→0.1点 ※現在も加療中。
【考察及び結語】
SGL治療後は「眠くなる」・「気分が良い」などのリラックスした感覚が得られると話す患者が多い。今回の症例でも「治療中に眠った」「気持ち良くなった」などと話していたことから、SGLがもたらすリラックス作用について脳波を用いて検討することとした。健常者におけるSGL術前・術中・術後の脳波所見をCSA波形モニターで記録し、脳神経細胞の活動状態を観察したところ、術前では軽度のα波を観察したが、術中・術後では特に強いα波が認められた。これによりSGLは脳神経細胞の活動をリラックス状態へ導くものと考えられる。
【キーワード】
不眠、直線偏光近赤外線、星状神経節