第27回日本東洋医学系物理療法学会学術大会

鍼灸手技は予防医学の最右翼
低周波鍼通電法の実技も開催

日本鍼灸マッサージ新聞 01.11.10.

 日本東洋医学系物理療法学会(日東医)の第27回学術大会が去る10月20日、21日の両日、滋賀県大津市の大津プリンスホテルで開催された。
 大会初日、白畠庸学会長は「19世紀後半から20世紀にかけて人類はたくさんの病気と闘い、それらに対する手立てを確立してきました。しかし、病人は増える一方で減ることがありません。その原因は心身へのス
トレスあるいは環境変化などによる慢性疾患、不定愁
訴の増加であり、これらに対する予防が大切です。その担い手として鍼灸マッサージが最も有力です。この学会は発足から四半世紀を過ぎ今年は第27回の学術大会で、人間にすれば最も血気盛んな時期を迎えています。今後も地に足のついた国民大衆に密着したあはきの総合研究団体として、国民の保健衛生に大きく寄与できるよう発展してまいりましょう」とあいさつした。
 続いて白畠学会長の基調講演『生活習慣病に対する鍼灸手技療法』(別項参照)、国立滋賀医科大学の横田敏勝名誉教授による特別講演『痛みの生理と鍼灸マッサージージ』が行われた。横田名誉教授は西洋医学の立場から痛みのメカニズムを細胞単位で解説し、「組織が損傷されると筋肉が反射により強く収縮し痛みを生じる。また、筋肉を使い過ぎると筋肉が拘縮して痛みを生じるが、鍼灸マッサージはこの拘縮を解除する」と鍼灸手技療法の痛みに対する効果について説明した。
 教育講演では筑波大学理療科の吉川恵士助教授が『電気鍼の実際2―低周波鍼通電法の臨床応用―』を行った。このテーマは昨年の徳島大会でも取り上げられたもので、その反響が大きく今年も引き続き教育講演のテーマとされた。吉川助教授は電気鍼について筋パルス、神経パルス、椎間関節パルス、皮下パルス、反応点パルスに分けてそれぞれの臨床応用法と効果について講演した。
 午後からは「鍼灸部門」「手技部門」「実技ワークショップ」の3つの分科会に分かれ一般口演が行われ、参加者たちはプログラムを手に興味ある口演を聞くため3会場を出入りした。
 2日目は国立浜松医科大学保健管理センターの永田勝太郎所長が特別講演『全人医療と鍼灸マッサージ』を行った(別項参照)。
 永田所長は2年前の静岡大会でも特別講演を行ったが、当時は筋膜炎の治療で使用した薬物の副作用により四肢が麻痺し担当医に「生涯寝たきり」を宣告されたが、マッサージなどの手技療法により車イスに乗れるまで回復していた。今年はその後も継続した手技療法の効果により松葉杖を使って歩行できるまで回復していた。壇上の永田所長の姿は、鍼灸手技療法の効果を顕著に証明するもので、参加者たちを勇気づけた。

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