あはき施術の療養費支給が停滞

2002.9.10.

 今年3月から兵庫県で
県国保連合会の事務連絡文で保険者が誤解

 国民健康保険のレセプト審査を行う兵庫県国民健康保険団体連合会が県下の各保険者に出した事務連絡の文章(別項参照)に、あはき療養費の支給に支障をきたす恐れのある内容が含まれていたことが判明した。このため、あはきの保険適用を推進する協同組合兵庫県保険鍼灸師会が県国保連合会と懇談会を開いた結果、誤解を招く表現があったとして訂正通知が出されることになった。
 問題となったのは、あはきに係わる療養費の審査についての事務連絡で、それぞれの保険者によって支給基準の解釈が異なるとして、県国保連合会が保険者たちに対して療養費支給基準の参考にと通知したもの。この通知以降、兵庫県下では「通知に基づく事務手続きのため、2カ月から4カ月、療養費の支給が遅れることになる」という保険者が現れだした。
 本紙が入手した資料によると、同事務連絡は、あはきの療養費支給申請書には医科のレセプトを添付することが強調された内容で、併療の有無の確認を徹底するよう求めていると考えられる。鍼灸の場合は医科との併療が認められていないため医科のレセプトとの突合審査が必要だとし、医科のレセプトを添付するように指示している。一方、あんま・マッサージについては、同意医師の直接監督下で行われることが原則のため併療が必要だとして、必ず同意医師のレセプトを添付することとされている。しかし、この内容は、あんま・マッサージに関する厚生労働省の「鍼灸の場合と異なり、医科と併療してもかまわない(しなくてもいい)」という見解と大きくずれている。
 同事務連絡に従った各保険者は、医科のレセプトが上がって来てからでなければ、あはきのレセプトを県国保連合会の審査に回すことができなくなる。実際、今年3月施術分からあはきのレセプトは審査に回されず、各保険者のもとで止まったままで、支払いが滞っているという。
 同事務連絡をそのまま解釈すると、医科との併療が不可の鍼灸に医科のレセプトが添付されなければならず、併療をしていなくてもかまわないはずのあんま・マッサージでは、併療していないので不支給という不可解なものになる。さらに、問題部分がアンダーラインで強調されているため、膨大な数のレセプトを処理しなければならない保険者が強調部分だけを見て、医科のレセプトが添付されていないのは支給基準に合わないので返戻・不支給と機械的な処理が行われることも懸念される。
 県国保連合会は基準原則の徹底を図っただけと思われる。しかし、わずかな解釈の違いでも「健康保険が使えると聞いたのに使えなかった」と患者に不信感を抱かせる。これは施術者にとって死活問題であり、また、保険取り扱いを諦めてしまい、あはきの保険適用の道が閉ざされることにもなりかねない。
 今回は協同組合兵庫県保険鍼灸師会の働きで訂正通知が出されることになり、ひとまず危険は回避されたが、今後は、支払い側には正しい支給基準の周知が求められる。


事務連絡文書
                   記
(1)ハリ・キュウ
 1.対象病名
   神経痛・リウマチ・頚(肩)腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症
   他これらに類似する病名あるいは状態
 2.医療との併療の可否
   不可(レセプトとの突合審査が必要)
    ⇒同意期間以外も含めて、レセプトを添付してください。(調剤レセ含む。)
     ただし、眼科・歯科・耳鼻科等は不要です。
 3.医師の同意
   最初の3ケ月経過した時点(都合2回)…2回目は、同意確認でも可。
 4.回数等
   最初の1ケ月は、15回、2−6ケ月は各月10回を限度とする。
   (6ケ月間で、65回を限度とする。)
(2)アンマ・マッサージ・指圧
 1.対象病名
   麻痺(神経・筋)…脳出血等や骨折・手術による関節等運動障害、関節拘縮
   先天性斜頚・先天性股関節脱臼
 2.医療との併療の可否
   専門医(同意医師)の直接監督下で行われることが原則な為、併療が必要である。
   必ず、同意医師のレセプトを添付してください。
 3.医師の同意
   最初と3ケ月を経過した時点(ただし、変形徒手矯正術を行う場合、同意書の有効期間は1月以内である。)
 4.回数等
   鍼灸のように、明確な基準は有りませんが、長期間・漫然となった施術は妥当ではないという表現になっております。
  ※レセプトが無い場合は、その旨記入してください。(但し、あんま等においては、連続してレセプト請求が無い場合は、専門医の監督下に無い恐れがあります。)


HOME 目 次