第21回近畿学術集会
高血圧を東洋医学と現代医学から
市民講座も開催 家庭でできるツボ刺激指導

 日本鍼灸マッサージ新聞 02.1.10.  


 (社)全日本鍼灸学会の第21回近畿学術集会が旧臘?9日、和歌山地方会(向井清会長)の主管により和歌山商工会議所で開催された。今回の学術集会では近畿5府県から症例・基礎・臨床・調査・文献と様々な分野から豊富な内容の一般講演が12題発表された。また、後半は高血圧をテーマに市民公開講座も催され、現代医学と東洋医学の両面から高血圧に対する具体的な対策が述べられた。
 一般講演ではまず、肥胖病、攣縮性斜頸、末梢性顔面神経麻痩などに対する鍼灸治療の症例報告が行われた。明治鍼灸大学臨床鍼灸医学教室が発表した四肢の冷え・下痢・耳鳴り・全身倦怠を主訴とする女性患者の症例報告では、健脾、補腎を治則として太衝、太谿、三陰交、陰陵泉、足三塁、中かん、気海、天枢、次りょう、大腸兪、腎兪、脾兪、肝兪に行った置鍼や温灸治療により、各症状に対して良好な結果が得られたとして、多様な随伴症状を訴える冷え性には東洋医学的アプローチが適切だと考えられると述べられた。
 公開講座では最初に(財)和歌山健康セ一ンターの茂原治理事長が『高血圧を防ぐためのくらしの健康指標とその対策』と題して、高血圧を防ぐと同時に血管の閉塞も防ぐ手段として「サラサラ血液」を心掛けるよう呼びかけた。茂原理事長は、起床から午前10時までの血圧が変動しやすいハイリスクの時間帯に十分な水分補給をすることで血液をサラサラにし、血圧コントロールと血栓予防にかなり効果が期待できると述べた。
 続いて和歌山県立医科大学の宮井信行氏が『潜在的高血圧の発見と適切な運動療法』について、高血圧の診断や治療の判定では日常生活の血圧変動が重要視されるため、家庭血圧計や携帯型24時間血圧計などの正しい測定方法を説明し、短距離走やウエイト・トレーニングなどの無酸素運動ではなく、ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動が高血圧予防に適していると述べ、運動の強さや頻度の目安を解説した。
 最後に関西鍼灸短期大学の川本正純助教授が東洋医学の立場から、本態性高血圧の鍼灸施術について、陰陽両虚、陰虚陽盛、痰湿壅盛、肝風内動、肝火熾盛と分類されている各症状と体幹部や耳への施術について説明し、高血圧に伴う肩こりや頭痛などを家庭でも刺激して緩和させるため、天柱穴と風池穴の探し方を実演した。
 同学術集会の公開講座講演後の質疑応答では、自身や家族の高血圧の悩みや疑問に関する質問が多く出され、参加者たちは今後の日常生活に取り入れられる回答やヒントを持ち帰った。

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