第29回目本伝統鍼灸学会学術大会
伝統の技を臨床に
経絡、刺絡、三通法などの理論と実技を披露

日本鍼灸マッサージ新聞 0111.10.

 日本伝統鍼灸学会の第29回学術大会が去る10月27、28日、森ノ宮医療学園専門学校(大阪市東成区)で開催された。大会テーマは『伝統に根ざした技の結集』。
 大会会頭の安雲和四郎・森ノ宮医療学園専門学校校長が「伝統の技を身に付けて、臨床に役立ててください」とあいさつし、引き続き会頭講演『寄贈資料からみた代田文誌先生の足跡』を行った。沢田流太極療法を『鍼灸治療基礎学』などに著し世に広めた代田氏の日記や原稿、カルテなどを紹介し、昭和の鍼灸史を振り返った。
 教育講演『鍼で心を治せるか―超浅刺の世界―』を講演した同学会の首藤傅明会長は、従来の深鍼では心の病についていけないとして、刺入0・5ミリ程度までの超浅刺を解説。「心の座は五臓にあり」という古典の精神五臓論に基づく鬱病の治験例を示した。また、運動器疾患にこだわらず心身症など他の分野にも取り組むことが、開業鍼灸師の生き残る道であるとアドバイスした(別項参照)。
 三内丸山遺跡の発掘で知られる国立民族学博物館の小山修三館長は『治療の民族学』と題する特別講演で、世界各地のフィールドワークで出会った独特の治療法を紹介した。歌をうたったり呪文を唱えたりもするシャーマンの治療が実際に効果があることなどを挙げ、「治療には魂の交流も重要になるが、西洋医学では欠落している」と指摘した。
 今回初の試みとなったワークショップは両日とも行われ、各流派の技が結集した。「肩こり」と「得意な症候」をテーマに10団体がそれぞれの理論と実技を披露。経絡治療、刺絡、三通法などの療法を間近に触れ、学生もベテランも参加者たちほ技術の吸収に努めた。
 また、鍼灸医学に関する優れた研究などに贈られる間中賞を受賞した森ノ宮医療学園の「はりきゅうミュージアム」が開放され、理論、技に加えて、まさに伝統鍼灸の真髄を全身で感じとることができた絶好の大会となった。

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