
日本初、代替医療利用実態調査
筑波技術短期大学附属診療所 山下仁助手
国民の76%が何らかを利用
利用率高い反面、研究・規制の遅れ目立つ
日本鍼灸マッサージ新聞 02.08.10.
日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT、渥美和彦理事長)は去る7月12日、医師や研究者およびマスコミ関係者を招き、東海大学校友会館(東京都千代田区)でJACT代替医療昼食研究会を開催した。同研究会で筑波技術短期大学附属診療所の山下仁助手が「日本国民の相補代替医療の利用率調査」を発表した。米国ではハーバード大学のアイゼンバーグ氏による同様の調査により、相補代替医療(CAM)利用回数が通常医療の訪問回数を上回っている事実が明らかになり、これをきっかけに米国政府は急きょ、国立衛生研究所に代替医療調査室を設けることになつた。一方、日本では今回の山下氏の調査が初めてのものとなり、その貴重な調査報告が注目された。
山下氏の調査は昨年4月に行われ、調査方法はランダム・ディジット・ダイアリングで、これは支持政党調査などに用いられる精度の高い調査方法。調査結果で76%の日本人が過去1年間に何らかのCAMを利用したと答えた。この数字は米国42%、イギリス20%という利用率を大きく上回っており、日本国民のCAMに対する関心の高さを示している。
利用したCAMを種類別に見ると「栄養ドリンク」と「サプリメント」が43%で、3番目の「健康器具」 22%に比べて群を抜いて利用率が高く、以下、「薬店のハーブまたは漢方薬」17%、「マッサージまたは指圧」15%、「医師の処方した漢方薬」10%、「アロマテラピー」9%、「カイロプラクティックまたは整体」7%、「鍼灸」7%と続く。
また、CAMを利用する理由としては「あまり重い病気ではないから」が60%で最も多く、「健康保持または疾病予防のため」が50%、「医師が勧めたから」は10%だった。そしてCAM利用者のうち利用事実を医師に伝えているのは41%だけで、医師とCAMの間に隔たりがあると推測される。
日本国民のCAM利用を金額面からみると、1年間に自己負担でCAMに支出した金額は平均約1万9000円で、現代西洋医学に支出した自己負担の約半分。また保険適用額も含めるとCAMは約2万5500円で、これも現代西洋医学の約6分の1にしかすぎない。
今回の山下氏の調査により支出額、対象疾患の多様性および重症度では現代西洋医学が圧倒的に優勢ではあるが、日本でのCAM普及率は欧米よりもかなり高いことが明らかになった。しかし、日本ではCAMの研究や教育、規制などが遅れており、最近も中国産サプリメントで死者が出るなど、国民のCAMに対する信頼性を高めるためには、CAMの安全性と有効性に対する厳密な研究と規制が焦眉の急となつている。
なお、山下氏の調査はボストンで開催された相補・代替・統合医療研究国際科学会議で発表され、この夏にイギリスの代替医療学術雑誌Comlementary Therapies in Medicineに詳細が掲載される。
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