ぎ
「義~~義はいらぬか~、義~~」
「……何をやってるのだ兼続……」
「おお、三成!お前も一つ義はいらんか?」
「はあ?」
「安くしとくぞ」
「……売ったり買ったりする物なのか?」
憮然とした顔になる。
そこへ
「ひとつくださ~い」
「幸村!?」
「うむ!幸村には特別製のだ!」
「わ、大きいですね!」
と竹の皮に包まれた握り飯を渡す
「中にはたっぷり義が詰まっているぞ!!」
「そりゃ『ぎ』じゃなくて『ぐ』だ!!!」
反応
「幸村!」
「あ、三成ど……」
しゅ かかかかんっ
寸前まで三成が居た場所に突き刺さる手裏剣
「敵でないなら幸村様の1メートル……もとい3尺3寸以内に近づくな!!」
じゃきり、と短い刀を構える。
「それとも敵か!?敵なのか!?敵なんだな!!」
「ふん!少なくともお前のな!!」
ばっ、と鉄扇を広げる。
始まる剣戟の音
「す、すごい身のこなしです三成殿!!才蔵についていってます!!」
「はは、日頃の繰り返しの成果ですかなあ。」
「感心してないで助けんか!とくに左近!」
ぞんび
突然訪ねてきた直江兼続
「最近三つ編みの練習をしているのだが」
「なんでまた……お断りします」
すぐさま答える島左近。
「そういうな」
「他当たってください」
「もう当たった」
わきわき、と両手を動かしながら
「慶次も幸村も三成も景勝様も稲姫もぎん千代も島津殿もおねね様も……」
「無差別ですか!」
じりじり、近づく兼続
ずりずり、後ずさる左近
「……逃がさん……」
その背後に回りこむ人影
「はっ!って殿!?」
振り向けば、二つの三つ編みを垂らした石田三成
「…………」
「は、はは……目つきが危ないですよ?殿」
「お・ま・え・も・染・まれぇい!!」
「ひぃーー!?」
おわり もどる
余った材料で無理やり一品作ったというか……
ホントに短い小ネタなので3つ抱き合わせ