その1

兼続「大変だ、幸村!!三成が!!」
幸村「わっ、な、何です一体」
兼続「三成が……あんな男だったとはっ……!!」
幸村「兼続殿……?」


三成「ふん、いちいち騒がしい奴だ」
兼続「……三成……」
幸村「三成ど……の……?」


兼続「幸村よ……三成はっ、こともあろうに!!」


ぎっ、とするどく睨みつける兼続


兼続「一人でだんごを買占めているのだ!!」
三成「ふん!貴様が甘いのだ!!」
幸村「…………はい?」
三成「ふ……ま、まあ、幸村には無事再会出来たときにな!」
幸村「はあ……」


三成「言っとくが!別に食べ物で釣ろうというわけではないからな!!」
兼続「くっ、隣町のだんご屋ならば……」
三成「……ふん!やはり甘いな、兼続!!」
兼続「あっ!!こら待て、三成!!」


どどどど……と走り去っていく二人


幸村「え〜と……私は桃も、好きですよ?」
くの「……あれに、その反応でいいの?幸村様……」



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兼続「は! しまったー!!」
幸村「どうかしましたか?」
兼続「私としたことが……護符を間違えて持ってきてしまったようだ!」
幸村「ええ!? でも、いつもと変わりないように見えますよ?」
兼続「いや、これは……くぅ、痛恨だ!! なんてことだ!! 私のバカバカ、馬鹿め! だ!!」
幸村「お、落ち着いてください、兼続殿! その分私が戦いますから」
兼続「……幸村……」
幸村「兼続殿は、いつもは前に出て無茶をしていますから。丁度いいです。
  今日は、私がお護りします」


三成「何をやっているのだ!! こいつは!!」
兼続「うう……三成ー……」
三成「……う……ま、まあいい。すぐ幸村から離れるならいい。
   だが、一体どうしたと言うのだ、理由を話せ」
幸村「それが……護符が違うのたそうです」
三成「護符〜?
   護符ってこれか? 義の筆跡といい、わけのわからん紋様の形といい
   こいつのいつも使っているのと、変わらんような気がするがな」
兼続「確かに私のだがな……だが、駄目なのだ……」
幸村「え? それは一体……?」
兼続「今日は『伏鬼兼光』を装備しているというのに、それは『神直毘御剣』用なのだ」
三成「はあ?」
兼続「『兼光』は久しぶりだからと、張り切って出しておいたのがいけなかったのだ
   ああ〜気高き紫が〜愛が〜〜白くなる〜〜」
三成「……さて、さっさと行くぞ、幸村」
幸村「……はい」





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