「うわ〜ん!左近殿〜!」
「おや?どうされたので……?」
駆け込んできたのは真田幸村
一体何事だと思えば、幸村の後に上司が続いて姿を見せる。
「どうしたんだ、幸村は?」
「と……」
「ああ、左近か!」

満面の笑顔

「の……?」
アレ?

「相変わらずいい男っぷりだな!!
城の女性たちがお前のことを随分気にかけていたぞ!! たまには顔を見せてやれよ!!」



あはははは!!



びしり



「左近殿!!三成殿が変なんですよ!!」
「あ〜……変ですねえ……
え〜とおねね様、だったりとか……」
「違うんです!」
「おねね様なら城であったぞ!!
相変わらずお元気そうだった!もう少し落着いて下さると良いと思うぐらいだったが……」
とここで三成大きく首をかしげて
「しかし、途中で様子がおかしかったのだが?顔色も優れない様子で……」
「あ〜……気持ちはわかりますな……」

しかし、このノリ、誰かを彷彿とさせるのだが……

「一体どうされたんでしょう……」
「う、う〜ん、朝見た時は普通だったんですが……」
「ど、どこか悪いのでしょうか……?」
と半泣きになる幸村
「どうした幸村!!
……左近、位置を変われ」
ちょいちょい、と扇で背中をつつく
「はいはい」
ずい、と押しのけられる左近

「幸村、何を泣いているのだ……」
と顔を覗き込み、
ついでにそっと頬へと手を伸ばす。
「三成殿……」
と幸村、心配そうな瞳で見つめ返す。

「うっうっ、三成どの〜お気を確かに〜」
(幸村も何気に失礼ですな……)
「何を言う!気はしっかりしている、俺は大丈夫だ!」
(そうは見えないんですがね〜)
「だが、お前にそう泣かれては、俺は気が落着かぬ……
お前には笑っていて欲しい……」
(おや?)
「幸村……俺は……」
(お!!)
「えっ……」
「俺……おれ……オレハ……」



「っぐあっ!!!言えるかあああ!!!」
と叫んで、ばったり



「三成殿!?」





倒れた三成を幸村に任せ、左近はかの人物の下へ。
「何をやったんです?」
「何だ?いきなりやって来て。」
と直江兼続。
割りと本気で知らぬ顔
「殿のことです」
「三成……?……ああ!!」
「……何をやったんです?」

いやな、と兼続
「人間関係で何かと悩んでいるようだったのでな!」
と話し始める
「で、ちょっと催眠術を」
「催眠術?」
ある種の呪いかと思いましたよ……っていうかそんなこと出来たんですね……
「うむ!愛と義にあふれた、皆から好かれる人間になるような暗示だ!!」
「……それで自分ですか……」
まあ、確かにストレスや悩みには強くなりそうですが

はあ

「それを破った殿の精神力も大したものですが……」
その精神力を使う方向間違ってませんか?
「まあ、それでこそ殿なんでしょうが……」

は〜あ

「ん?左近も何か悩み……」
「お断りします!!」





おわり   もどる